研究課題/領域番号 |
14510552
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語・英米文学
|
研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
片山 麻美子 大阪経済大学, 人間科学部, 教授 (50183778)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | トマス・グレイ / 18世紀古詩収集 / ウェールズ / ウィリアム・メイソン / エヴァン・エヴァンス / ケルト研究 / 18世紀イギリス史 / 18世紀好古趣味 / ケルト文化 / トマス・パーシー / ジェイムス・マクファーソン / ジェイムズ・マクファーソン |
研究概要 |
本研究ではグレイとウェールズの古詩復活との関わりを3点に特化し、18世紀のバルドやケルトの英雄を描いた作品が国家主義的な時代背景や民族復興と強く関わることを考察した。1.グレイの"The Bard"は中世イングランド王エドワードのウェールズ詩人の虐殺という伝説に古代詩人バルドの神話的イメージを取り込み、古詩への関心を高めるという先駆的な役割を果たした。2.メイソンはCaractacusでケルトのドルイド、バルドを詩劇に初めて本格的に導入したが、グレイの助言や当時の好古研究の成果を活用している。3.エヴァンスは『ウェールズの古詩集』の出版に際しグレイと交信し、資料の照会や古詩の保存と英語訳に貢献した。またグレイがエヴァンスの古詩を韻文にした。 研究成果としては、(1)Wordsworth Summer Conferenceで"Gray and the Making of the Ancient‘British'Bard"と題し、「詩仙」がウェールズの中世の詩人虐殺の伝説に基づきブリトンの文化と詩歌の復活を歌ったことを論じた。この英語論文は『イギリス・ロマン派学会創立30周年記念論文集』に採用された。(2)国家主義や「ケルト」研究との関連における近年の歴史学議論から新たな知見を得て、成果報告提出を平成16年度末に延長した。この間、イギリス・ロマン派年次大会において、「『キャラクタカス』-変容するウェールズの英雄伝説」と題してメイソンの詩劇の歴史的背景を論じた。(3)『地誌から抒情へ』と題する共同出版で、グレイの章を担当し、「挽歌」を自然描写と抒情性との観点から論じた。(4)日本ジョンソン協会シンポジウムで「詩と絵画における競合、あるいは協力関係」と題し、トムソンとグレイにおけるut picture poesisの創作概念の影響を論じた 以上を、カーディフ大学のDr.E.W.James,アベルスティス国立研究所Dr.P.Lordや、Dr.M.Constantineと懇談し、助言と指導を受けながら遂行した。今後はグレイの古詩研究論文であるCambriaを、18・19世紀におけるナショナリズムおよびウェールズの文芸復興と関連させて検討したい。
|