研究課題
基盤研究(C)
本研究課題の主たる成果は次の3点である。1.バラッド詩アンソロジーの編纂『英国バラッド詩60撰』(山中・中島・宮原・鎌田・Taylor共編著、九州大学出版会、2002年)は18世紀、ロマン派時代、19世紀、20世紀の4つの時代別に代表的バラッド詩15編ずつを選定し、合計59人のバラッド詩人による60作品に、バラッド詩の系譜における詩人と作品の位置付けを中心とした解説と語註を付したアンソロジーである。60編の規模はバラッド詩のアンソロジーとしては世界初である。本書によって、バラッド詩の系譜の中心となるモチーフのひとつがゴシシズムであること、バラッド詩におけるモダニズムはゴシシズムと関与していることを示した。2.John Davidsonのバラッド詩:カレドニア的相反と労働者の詩不毛と言われるスコットランド文学の19世紀の趨勢を「カレドニア的相反」と「労働者詩人の時代」という2大特色にまとめ、そこに於いてデイヴィッドソンのバラッド詩はこの2大特色を同時に示す顕著な例であり、同時に、Hugh MacDiarmidの提唱したScottish Renaissanceの展開とスコットランド詩のモダニズム形成に関与していることを示した。3.チャイルド・バラッド全訳プロジェクトF.J.child編The English and Scottish Popular Ballads (1882-92)の305篇を3巻に分けて全訳する共同プロジェクトを発足し、第1巻を2005年5月に刊行した。第2巻は科学研究費補助金(研究成果公開促進費)を得て2005年10月に刊行予定である。時代の隔たりと地域の特殊性のためにアクセスが困難であった伝承バラッドの全貌が国内の研究者および一般読者に明かになり、英文学の研究の深化に貢献することを期待している。
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英文学と道徳(園井英秀編、九州大学出版会)
ページ: 195-215
平井昭徳氏追悼論文集(大津、西岡、松瀬編) (印刷中)
English Literature on Morality (Ed.E.Sonoi)(Kyushu University Press)
Memorial Essays for Akinori Hirai. (ed.Otsu, Nishioka & Matsuse)(Kyushu University Press)
ページ: 14-14
平井昭徳氏追悼論文集(大津、松瀬、西岡編) (印刷中)
Celtic Forum(日本ケルト学者会議) No.6
ページ: 49-51
Celtic Forum No.6