研究課題
基盤研究(C)
(1)シュルレアリスムは、これまで専らフランス文学あるいはヨーロッパの20世紀の文学芸術の枠組みで語られ研究されてきたが、今回のような構図で新たにシュルレアリスムを捉え直すことにより、20世紀ヨーロッパで展開したいわゆるモダニズムの運動あるいはアヴァンギャルド運動が、より大きな世界的な文脈で、アフリカ、オセアニアなど非ヨーロッパ文化圏の思考・認識からいかに養分を得てきたかが確認できた。(2)とりわけ、平成14年の外国出張(メキシコ)では、(1)シュルレアリスムのメキシコ多元文化形成への影響について、(2)シュルレアリスムの影響のもと、ヨーロッパの思想・文化とメキシコ性を融合させて独自の世界をつくり上げたメキシコの詩人・思想家オクタビオ・パスについて、さらに平成15年の外国出張(マルチニックとブラジル)では、(1)シュルレアリスムの影響のもとに、ネグリチュードというコンセプトを創出して現在のクレオール思想の源流となった詩人・政治家エメ・セゼールについて、(2)モダニズム、シュルレアリスムとブラジルの先住民文化を独自に融合させたオズワルド・ジ・アンドラージについて、それぞれ資料収集と、作家、批評家、研究者に対するインタビューを行なったこと(特にマルチニックではエメ・セゼール本人に会見し貴重な発言を得たこと)は、研究の枠組みを設定し深化させる上で多大な益があった。(3)今回の研究課題を含む著作については目下半分までを執筆。両三年で原稿全体を書き上げ刊行する予定。(4)今回の研究を、上記の著作に包含させるとともにさらに新たな展開へとつなげるべく、平成17年度からの科学研究費補助金「西洋近代のグローバル化とモダニズムの世界化--その相関を問い直す比較文学的研究」(研究代表者:立命館大学、西成彦教授)に、研究分担者として参加することとした。
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国際広報メディア研究科・言語文化部研究報告叢書55 植民・移民・難民のメディア学 55号
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Graduate School of International Media and Communication and Institute of Language and Culture Studies Research Report Series 55
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International Media and Communication Journal 1