研究課題/領域番号 |
14510567
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
仏語・仏文学
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
恒川 邦夫 一橋大学, 大学院・言語社会研究科, 教授 (60114956)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | クレオール / カリブ海 / フランス語圏 / ポストコロニアル / ネグリチュード / ブラックアフリカ / 諸アメリカ / 多言語・多文化空間 / 仏ギアナ / ブシナンゲ / アメランディアン / モング / レオン=ゴントラン・ダマス / クレオール(主義) / 現代黒人文学 / 多言語主義 / 多文化主義 / 仏語圏文学 / アフリカ |
研究概要 |
(1)カリブ海域の仏・英・西の各語圏の島々における混成語の実態調査により、いわゆるクレオール語が存在しない英・西語圏においても、それぞれの社会における言語状況には、複雑な実態があることが判明した。 (2)それにも関わらず、それぞれの地域の文学が扱う主題や世界像には、多様性を超越した親縁性が認められる。近年、英・仏・西語圏の文学を一括りにした「カリブ海文学」という概念の文学展望が試みられ始めている。サン=ジョン・ペルス、エメ・セゼール、ニコラス・ギエン、デレク・ウォルコットなど一級の詩人たちの間に通底する連関が明らかにされつつある。そうしたプロセスに、クレオール語がどのように関わっているかという問題は興味深い問題である。 (3)フレンチ・クレオール語の運用実態とその意味付けについては、以下のように矛盾する二つの視点から問題提起する必要があることが分かった。 a.マルチニックの「クレオール性」提唱者たちが主張した「クレオール諸島連合」構想の根底にある、南米大陸の一部(仏ギアナ)を含めたカリブ海の島々から、インド洋の南西部に浮かぶ島々まで、広域にわたって存在するフレンチ・クレオールは、語彙や文法レベルにおいて、地域差が認められるものの、その根幹において、一つの言語現象を表しているとする視点。 b.ラフなレベルにおける意志の疎通という点では、世界のフレンチ・クレオールには親縁性が認められるものの、その深層部においては、互いに似て非なるものであり、それを一つの言語実態であるかのように表象することには無理があるという視点。この点については、「カペス・ド・クレオール(クレオール語を専門とした中等教育教員免状)」試験の審査員選出をめぐって、インド洋とカリブ海のクレオリストたちの間で激論が戦わされた。 (4)前項b.の視点をフィールドワークによって解明することが、今後の研究の課題である。
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