研究課題/領域番号 |
14510579
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
独語・独文学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
伊藤 眞 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 助教授 (60168375)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 慣用句 / 語彙論 / 対照言語学 / 日独対照 / 身体部位 / イディオム性 / 具象性 / 比喩的意味 |
研究概要 |
本研究は、身体部位を構成要素にもつ日独語の慣用句を、対照言語学的立場から様々なレベルにおいて比較分析し、両言語の慣用句にみられる個別的・普遍的特徴を実証的に調査・分析することが目的とされた。身体部位は、慣用句の構成要素として、日独語に限らず、各言語の慣用句において頻繁に用いられており、慣用句の構成要素のなかで中心的な位置を占めているといえる。 平成15年度は、本研究の最終年度であり、平成14年度に収集された、身体部位を構成要素にもつ日独慣用句について、語彙、統語構造、意味等さまざまなレベルにおいて比較対照が行われた。日本語とドイツ語という、言語類型論的にも大きく異なる言語の慣用句を比較対照する際には、共通の分析基準を設定することは容易ではないが、本研究では、慣用句の意味を成立させるメカニズムに基づき比較対照するという方法がとられた。慣用句の意味は、(1)慣用句の構成要素の比喩的意味、即ち、慣用句の語彙が、慣用句の表す意味との関係からどのような比喩的意味を担っているか、(2)慣用句の具象性、即ち、慣用句の構成要素が文字通りの意味で表している事柄というふたつの要因に基づき成立していることを明らかにし、これらの要因を比較の基準として日独慣用句の分析が行われた。その結果、言語構造や言語の発展過程において大きく異なる日独語の慣用句においても、身体部位を構成要素にもつ慣用句では、身体部位が慣用句の中で表す比喩的意味、および具象性について、多くの共通点が認められることが明らかにされた。 上記の二つの要因を比較の基準とすることにより、言語類型論的にも大きく異なる言語慣用句を比較対照することができ、本研究において用いられた方法は、慣用句対照研究に対してインパクトを与えることになると思われる。
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