研究課題/領域番号 |
14510581
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
独語・独文学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中 直一 大阪大学, 言語文化部, 教授 (50143326)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ケンペル / 日本誌 / 旧版 / ドーム / 今日の日本 / 新版 / 書き換え / 比較 / 新編集版 / 比較対照 / 編集 / ショイヒツァー / 日本論 / 江戸時代 |
研究概要 |
本研究は2001年秋より刊行されはじめた『ケンペル全集』に収められた新版『今日の日本』を活用し、これを旧版(ドーム版)『日本誌』と比較しつつ、従来のケンペル像を一新する必要性の有無について調査することを研究目的とした。具体的には、次の4点について調査を進めた。(1)旧版と原典批判版の異同のデータベース化。(2)上記の異同のうち、文化史的に意味のある点のリストアップ。(3)従来の『日本誌』邦訳の批判的検討。(4)原典批判版に基づく邦訳の可能性の検討。 その結果、次のような問題点が明らかになった。すなわち、(A)大英図書館に現存する原稿のすべてがケンペル自筆であるというわけでなく、ケンペル以外の人物の筆跡による部分が相当な分量を占める。(B)ドームによる編集・書き換えは、部分的なものでなく、文章全体をそっくり書きかえる、といった態のものであり、一覧表化して「ここがドームの書き換え部分である」という単純な指摘をなすことがほとんど不可能である。 以上のような理由により、2カ年の研究期間において、新版『今日の日本』のケンペル自筆の部分とケンペル以外の筆跡による部分を分け、サンプル調査的に、旧版と新版との対比をなした。その成果、次のことが明らかになった。(I)ドーム版には確かにドーム自身の価値観に基づく改変が皆無であるわけではないが、その逆であるような事例も存在する。(II)ドーム版に若干の問題点があることは否定できないものの、従来のケンペル研究がまったく意味をなさなくなるほどの大々的な改変がドーム版に含まれていたとまでは言い難い。
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