研究課題/領域番号 |
14510589
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
独語・独文学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
梅内 幸信 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (00145450)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ファンタジー / ホフマン / グリム童話 / エンデ / ドイツ・ロマン主義 / 深層心理学 / イメージとシンボル / 精神分析 / 童話 / ロマン主義 / グリム兄弟 |
研究概要 |
平成14年度から最終年度である平成17年度までの研究実績は,以下の通りである。 (平成14年度〜平成15年度) ホフマン文学、グリム童話、エンデ文学に関するこれまでの研究成果に基づき、ファンタジー文学に関する定義づけを試みた。ファンタジーに関するトドロフの古典的な定義を踏まえ、最近のアトベリーの定義を加味して、5つの観点から吟味し、現在の段階で最も妥当的定義づけを提出した。1.語源(無意識のもの・不可視のものを可視的にする)、2.機能(以下参照)、3.内容(童話的)、4.源(出発点はホフマンの『幻想作品集』1814-15、18末のイギリス・ゴシック小説)、5.物語の長さ(長編小説から短編小説まで、童話は除外される)。 (平成16年度) この定義に基づき、ホフマン文学とエンデ文学における具体的な作品分析を通じ、それぞれの文学におけるファンタジーの特質を総括した。ファンタジー文学の重要な特徴は、童話的内容と、長編ないし短編までのその物語の長さである。この意味において、きわめて短い物語である童話は、ファンタジー文学から排除されるのである。しかし、グリム童話にもファンタジーは存在している。 (平成17年度) グリム童話におけるファンタジーは、その歴史が示すように、ミクロコスモスを反映している。このファンタジーを考慮し、ファンタジー文学のもつ次のような3つの機能を提出した。1.ユートピアをめざす非現実的描写によって現実世界を止揚する。2.人類の未来社会における不安への心の準備をさせる。3.死に至る病である不安に対する免疫力をつける同種療法的効果をもつ。
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