研究課題/領域番号 |
14510593
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
独語・独文学
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
早坂 七緒 中央大学, 理工学部, 教授 (30108104)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2005
|
研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | ムージル / ウィーン / ブルノ / ボルツァーノ / チェコ / ハプスブルク / モラヴィア / 南チロル / ローベルト・ムージル / ブリュン / 三十年戦争 / ハープスブルク / ウイーン |
研究概要 |
ウィーンのラズモフスキ・ガッセ20番地の住居(1921年〜1938年)は現在の住人Ruthner夫人の協力により全室を採寸、従来の伝記の記述を改訂した。仕事部屋の窓から望むザルム宮殿の庭を小説の場面のモデルとする旧来の説も否定した。ムージルの生活状況と作品との対応もいくつか解明した。論文は国際ムージル学会のHPの最新文献欄に記載された。ブリュンについては数回にわたり現地調査を行い、小説のモデルとなった家と部屋、および庭を特定、1890年から1924年にかけてムージル家が居住した6軒の住居を(うち一軒は新発見であり、また従来挙げられていた一軒を否定した)文書館や郷土史家の協力のもとにすべて解明した。重要な2軒については正確な間取りを取得し、転居の日時についてもほぼすべて解明、一部は確認のための調査を続行している。また現地の研究家が見つけていた、ムージル17歳と18歳のときの作品(推定)を国際ローベルト・ムージル学会に報告、センセーションを引き起こした。この2作品は国際ムージル学会のHPに、早坂の解説とともに掲載されている。ムージルの日記や作品に登場する郊外の教会、砦あと、本家のある村、諸施設なども詳細に調査して論文を発表し、伝記研究の第一人者コリーノから「もはや研究者がブリュンで調査することはなくなった」との讃辞が寄せられた。さらに南チロルのボルツァーノを数度にわたって調査、1915年にムージル夫妻が居住していたVilla Isidoraを地下室から屋根裏まで調査、撮影。短篇の舞台となったロンコロ城も学芸員の案内で詳細にわたり取材し、今年度論文として発表する予定である。新旧6本のドイツ語の論文をまとめて、来年度に著書として出版する予定である。全体として従来のムージル研究に多大の貢献をすることができ、また日本のムージル研究の評価を高める結果になったと自負している。
|