研究課題/領域番号 |
14510598
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
独語・独文学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
神尾 達之 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (60152849)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ドイツ文学 / カルチュラル・スタディーズ / メディア論 / 文化学 / 文学研究 |
研究概要 |
1.本研究は、ドイツにおける「文化」概念の特殊性を、18世紀啓蒙主義から第一次世界大戦終了直後あたりまでを射程として、時系列にそって整理した上で、「文化」がドイツでは、19世紀から20世紀の世紀転換期をのぞいて、「教養(Bildung)」や「文明(Zivilisation)」と差異化したり協働したりしながら、一貫してイデオロギー化していたことを明らかにした。 2.イギリス産のカルチュラル・スタディーズからドイツ産の「文化学」が作り上げられる過程を、20世紀初頭の文化哲学から20世紀末の「文化学」の誕生までを射程として、時系列にそってたどった。その結果、ドイツの「文化学」がカルチュラル・スタディーズから継承したのは、(1)「文化」概念の拡張、(2)大文字の「文化」の相対化、(3)テクスト主義、(4)反本質主義、(5)理論のブリコラージュ、(6)対象の複数性であり、継承しなかったのは、(1)労働者階級の文化的所産の評価、(2)政治性、(3)実践への通路、(4)社会からの規定、(5)テクスト主義批判、(6)主体としての人間という表象であるということがわかった。 3.これらをふまえた上で最終的に、ドイツの「文化学」およびメディア論から、日本における外国文学研究が何を学びとることができるかを考察し、日本版の「文化学」を構築するための前提を、以下の六点にまとめた。(1)対象は事後的に構築される。(2)「文化」はテクストとして読むことができる。(3)歴史モデルは脱線条化され空間化される。(4)記憶と記録からハイパーテクストをつくる。(5)メディアが経験をフォーマットする。(6)「文化」とは星座を見いだすことである。
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