研究課題/領域番号 |
14510640
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文学一般(含文学論・比較文学)・西洋古典
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山科 高康 千葉大学, 法経学部, 教授 (00017956)
|
研究分担者 |
石田 靖夫 千葉大学, 法経学部, 助教授 (10241928)
山内 正平 千葉大学, 園芸学部, 教授 (60092110)
安孫子 誠男 千葉大学, 法経学部, 教授 (20115520)
三宅 芳夫 千葉大学, 法経学部, 助教授 (40334164)
内村 博信 千葉大学, 法経学部, 助教授 (30193907)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
|
キーワード | 国民国家 / 人権政治 / ヨーロッパ連合(EU) / 共和制 / 帝国 / ポスト・コロニアル / ジャコバン主義 / 戦後民主主義 |
研究概要 |
19世紀に確立し、今日にいたるまで暗黙の枠組みにさえなっている国民国家という政治制度はヨーロッパ連合が今まさに構築されつつある情勢のなかでどのような展望のもとでどのような変革を蒙ることになるのだろうか。これは思考の地平を根底から揺るがしかねないような問題の一つなのだが、このことをよりよく理解するためには国民国家の歴史性に焦点を当て、国民国家の成立条件は何であったのかを、言い換えれば、国民はどのような制度を通して創設されたのかを問わねばならないだろう。 この研究は二つの命題を前提にしている。一つはベネディクト・アンダーソンによる「国民」の定義にほかならない。すなわち、「国民とは、イメージとして心に描かれた想像の政治共同体である」。もう一つはダニエル・シボニーの定式である。国民意識の宗教的な、神聖な、そして純粋な次元に起源という主題が付加されるとき、シボニーの言う「起源をめぐる逆説」はそれだけいっそう緊迫さを増すだろう。なぜなら起源は、しばしばそのように唱えられているのとは逆に、帰還と復元のトポスではなく流離と刷新のトポスだからである。 国民国家というものが現実政治の分野においてと同様に私たちの日々の感じ方と思考の仕方においてもあいかわらず支配的な枠組みの一つであり、にもかかわらず新たな遠隔通信の現出によってばかりか、桁はずれの経済的実践によっても脅かされることで、自分自身の限界に直面し続け、みずから位置している転換点において何が待ち受けているのかをまだ知らないとき、私たちの問いの能力は触発され、国民国家をめぐる私たちの問題設定も、それだけいっそう研ぎすまされるにちがいない。
|