研究課題/領域番号 |
14520042
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
民事法学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田村 善之 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20197586)
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研究分担者 |
柳川 範之 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (80255588)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2005年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 著作権 / 特許 / バイオテクノロジー / 消尽 / 職務発明 / 修理と再生 / 法と経済学 / 知的財産法 / インターネット / クリック・オン契約 / 補償金請求権 |
研究概要 |
第一に、知的財産法と経済学の総論の構築を試みた。 特に、権利の設定の在り方に関し、知的財産の創造の成果物が商品化に至らない早期の段階で権利を認めることが同一の知的財産の創作に関する事後のレント・シーキングを防ぐとともに市場を活用した効率的な知的財産の活用が容易となる旨を説くprospect theoryが一面的に過ぎ、早期に権利付与をすることでかえって事前のレント・シーキングを誘発しかねないこと、知的財産権という排他権自体がコストとなるという側面がある以上、一概に結論を得るのではなく、権利の種別や産業別に考えるべきであるという知見を得た。 第二に、以上の総論を各論に応用した。主要なものを掲げると以下のようになる。 職務発明に関して、特許法35条の趣旨に鑑みると、補償金額は従業者と使用者に発明活動に対する適切なインセンティヴを与えるべきであること、資産効果を考えると絶対額が大きくなった場合には従業者に配分する割合は低くなってもよいこと、発明者以外に組織内で発明に関与する者に対してインセンティヴを付与するためには資産効果が原因で発明者に対するインセンティブの付与の効果が少なくなっている分については使用者に留保し、そこから市場(雇用契約)を通じて他の関与者に配分させたほうがよいことを提言した。 バイオテクノロジーに関して、成果の創造につき上流のヴェンチャーと下流の大手製薬会社との分業体制が確立しているバイオ産業の事情に鑑み、類型的に上流から下流へと取引される程度に成果が具体化していれば特許保護を認めるべきであるという結論を得た。 また、方法特許の消尽や修理と再生の問題について、消尽を否定し特許権者が消耗品から対価を取得することを認めたほうが価格差別を可能とするから望ましいという議論をいかに評価するのかという角度からの研究を行った。
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