研究課題/領域番号 |
14520056
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
民事法学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松川 正毅 大阪大学, 高等司法研究科, 教授 (80190429)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2005年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 遺産分割 / 相続 / 公証人 / フランス法 / 代襲相続 / 法定相続 / 調停 / 紛争予防 / 相続法 / 遺産の管理 / 紛争の予防 / フランスの公証人 |
研究概要 |
遺産分判に関して、フランス法では、公証人が伝統的に活躍しており、その結果、紛争の予防に大きな役割を果たしていることが、実務を検討することで理解できた。 遺産分割にあたって、相続人が全員公証人の事務所に集合し、場合によっては、被相続人の債権者、相続人の債権者も参加することがある。このように関係者が一同に会して、遺産分割案が、公証人の指導によって作成されていく。 この際に、公証人の指針になるのが民法典であることに注意が必要である。民法典に従えば、正義が実現できるという法典に対する信頼が存在している。相続人の確定方法、遺産の範囲、遺産管理の問題など、民法典に従って、遺産分割案が作成される。なかでも持戻や遺留分減殺請求もこの場で考慮される。これはほとんど、裁判による遺産分割と同じ内容になるといわれている。このように作成された遺産分割案に対して、相続人間で合意が得られれば、遺産分割が完了する。公証人の遺産分割に対する積極的な関与と、民法典に対する信頼の差が、日仏で大きな特徴として明らかになった。特に公証人に関与は、一方当事者の利益のために参加する弁護士とは異なり、関係当事者間で正義を実現するという役目に意味がある。このような法律家の位置付けが可能なところに、紛争の予防を果たしうる理由が存在しているといえる。 フランス民法典の中に、遺産分割に関して、正義を実現できるシステムが存在しており、大いに参考になる。紛争予防を果たしうる機能の重要な要素は、民法典の中にある。この意味で、わが国の法定相続に関する規定を充実させることは重要である。この目的で、代襲相続に関しても分析を行なった。遺産分割は、法的な問題であり、もっぱら法の専門家によつて、進められる意味は紛争予防の観点から、重要であることが理解できた
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