研究課題/領域番号 |
14520074
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会法学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
菊池 馨実 早稲田大, 法学部, 教授 (10261265)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 介護リスクマネジメント / 介護事故 |
研究概要 |
第1に、福祉・介護分野におけるリスクマネジメントのあるべき方向性を、研究代表者の提唱する「個人」ないし「自由」基底的社会保障法理論とも相通ずる「利用者」の視点から捉え、その全体像を描き出した((1))。そこでは、介護リスクマネジメントにあたって重要なのは、利用者および家族との信頼関係の構築、そしてそれを可能にするための適切なケアマネジメント、なかでもアセスメントであると結論付けた。また、こうした実務上の対応策を超えた制度論的課題(資格制度の見直し、施設区分の見直しなど)についても論じた。 第2に、最近散見されるようになった狭義の介護事故を中心としながらも、それにとどまらない広い視野から従来の裁判例を参照し、介護リスクマネジメントのあり方を探る上で有益と思われる視点を提示しようと試みた((2))。これらの分析を通じて、第1の分析と共通した視角が明らかになった。 第3に、各地の社会福祉施設等でのヒアリングを通じて、各施設での事故に際しての具体的対応策のあり方、介護リスクマネジメントに向けての具体的方策などの実践例を収集した((3))。 これらの研究成果は、2003年3月刊行予定の図書『介護リスクマネジメント』において公刊される。同書の第1章「利用者の視点からみたリスクマネジメント」、第7章「介護事故関連裁判例からみたリスクマネジメント」補章-(3)「誤嚥による死亡事故の一事例」は、それぞれ上記(1)、(2)、(3)の直接の成果である。また他の幾つかの章(補章-(1)、補章-(2))も、ヒアリングを通じて収集した事例の発表という意味で、間接的な成果である。同書は、この分野における研究・実務両面にわたる重要な図書として、位置付けられることが予想される。
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