研究課題/領域番号 |
14530046
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
井伊 雅子 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 助教授 (50272787)
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研究分担者 |
澤田 康幸 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (40322078)
縄田 和満 東京大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00218067)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 女性の就業行動 / 就労行動 / 流動性制約 / トービットモデル / 標本選択による偏り / プロビットモデル / 標本選択による傾より |
研究概要 |
女性の賃金水準が就業行動に与える影響は、国際的にも多くの研究が行われてきた。しかし、日本の場合は、専業主婦優遇の税制、社会保障制度、さらには企業の家族手当諸制度などのために家計全体で考えた収入曲線は、女性の労働時間に関して単純な線形関数とはならず複雑な形となる。供給行動を通常のHeckmanなどによって提案されたモデルを用いて推定しても適切な推定結果を得ることができない。本研究では、賃金関数と就労関数の最尤法での同時推定を考え、最尤法推定量の計算を可能とする新しいアルゴリズムとコンピュータープログラムを開発した(Nawata(2003))。そして、この提案された推定方法によって、財団法人家計経済研究所の「消費に関するパネル調査」のデータを用いて日本の既婚女性の賃金関数と就労関数の推定を行った(Nawata and Ii (2004))。 家計に対する金融逼迫の影響を家計レベルにおいて流動性制約がもたらす負の厚生効果として数量化することも本研究の関心事の一つである。理論モデルとしては、家計の異時点間の効用最大化モデルから導出される一階の必要条件である消費オイラー方程式を用いた。そして、流動性制約が制約となっているグループとなっていないグループの2値選択を内生性を考慮しつつ、二つの異なる消費オイラー方程式を推計するためにタイプ5トービットモデルを用いた推計を行った。結論としてかなりの消費者が流動性制約をうけており、通常のオイラー方程式(ライフサイクル恒常所得仮説の必要条件)はrejectされた。また、1993年の質問票では、借り出し制約についての質問項目があるため、流動性制約が消費オイラー式の推定においてバイアスを生み出すかどうかのテストも行った。最尤法の結果によると借り出し制約の内生性が確かめられた。1993年から99年の全7年間のデータを用いた分析によると、金融逼迫は特に1997年以降深刻になったことが明らかになった。
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