研究課題/領域番号 |
14530070
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
川野辺 裕幸 東海大学, 政治経済学部, 教授 (60119667)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 規制緩和 / 制度調整 / グローバリゼーション / 制度間戦争 / 行政改革 / 財政の地域間再分配機能 / 制度調製 / 制度間競争 / 民営化 |
研究概要 |
グローバリゼーションに伴う経済活動の国を超えた連結から、国家も、個人も今までとは比べものにならないほど影響を受ける。ICT革命への適応能力の差によって格差もまた拡大する。この適応能力とは、個人レベルではコンピュータ・リテラシーであり、市場レベルでは調整のスピード、国家レベルでは制度調整能力に代表される。グローバリゼーションに対するこうした競争的適応とその結果生じる格差をコントロールする方策も工夫されてきている。制度の強調も、その文脈から見ることができる。 市場統合を果たしたEUの制度協調は、経済規模に占める歳出・歳入のウエイトを次第に修練する方向を指している。過去10年間に、社会保障費を中心として、歳出項目のウエイトは開きつつあるが、非EUのOECD諸国と比較くして、そのスピードは比較的低い。 グローバリゼーションの進展は、世界レベルでの相互依存の拡大と利害対立の激化をもたらす。WTO体制の進展は遅れがちになる間に、各所ではFTAによる囲い込みが進んで行く。FTAの成立は必ずしも地理的な近接を前提とするものではないし、重層的なFTAの締結も進んでいるが、FTAに取り残される国家も存在しよう。世界規模での自由貿易の推進方策は依然として必要であり、国際的な経済危機からの脱出を支援する国際的なスキームの開発も要請される。 グローバル・マーケットの成立は必ずしも地球規模での成長を約束するものではない、制度改革が外国資本を誘引しない最貧国や、市場変動・社会変動に対するインフラの整っていない開発途上国の脆弱性などの不確実性を排除する世界規模でのグローバル・ガバナンスが必要であり、透明性と説明責任と、正当な代表制をもつ国際的合意のシステムを設計することが重要な課題である。
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