研究課題/領域番号 |
14530073
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
原 伸子 法政大学, 経済学部, 教授 (00136417)
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研究分担者 |
山本 真鳥 法政大学, 経済学部, 教授 (20174815)
後藤 浩子 法政大学, 経済学部, 助教授 (40328901)
吉村 真子 法政大学, 社会学部, 教授 (80247113)
山森 亮 東京都立大学, 人文学部, 専任講師 (90325994)
溝口 由己 新潟大学, 経済学部, 助教授 (90377177)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | ケア / 無償労働 / リベラリズム / 家族手当 / 介護労働 / サテライト勘定 / 伝統社会 / レトリカル・ワーク / 比較福祉エジューム / 市場 / 家族(世帯) / ジェンダー統計 / ジェンダー・バジェット / 一人親 / 社会的効率性 / 福祉国家 / 家族 / ジェンダー / シングル・マザー / ローン・マザー / 児童政策 / 脱商品化指標 |
研究概要 |
本プロジェクトでは、グローバリゼーションとジェンダーの関係を、理論、政策、開発、文化の四つの分野で検討した。そこで得られた知見は以下のとおりである。 1.理論。ジェンダーの理論的研究では三つの論点が提起された。第一は、家族のなかに福祉国家の理念であるリベラリズムの「逆像」を見出すことができる。ここではリベラリズムとフェミニズムの対話がもとめられる。第二は、無償のケア労働を社会的ケアとして認知する方向性が、ジェンダーバジェットとの関係で指摘される。第三は、ポストモダニズム的フェミニズムは、運動論の展開を阻むものとして批判される。 2.政策。第一に、わが国における家族政策が当初より人口政策と結び付けられていたこと、それは性別分業家族の「補強策」であった。重要なのは、児童福祉とは何かという理念を明確にすることである。第二に、わが国における介護労働への移民労働者の導入は、送り出し国における「ケアの圧迫」を招いている。導入に際して重要なのは、無償労働と有償労働を結合したうえでの政策の策定である。第三に、イギリスの国家統計局のサテライト勘定に見られるアウト・プット法による無償労働の貨幣評価は、無償のケア労働の社会的意味を明らかにするものとして評価される。 3.開発。第一に、開発の方法論では、人間開発の「行為主体的側面」を重視することが、女性のエンパワーメントに果たす役割が検討ざれる。第二は、東南アジアのジェンダー問題は、「貧困のヒエラルキー」を内にふくみながら進行する「ケアのグローバルチェーン化」である。第三は、90年代以降の中国の市場主義化とともに生じたジェンダー間格差と、今後のケア供給体制(市場化されたケアと親族ネットワークの結合)が指摘される。 4.文化。第一に、フェミニストによる無償のケア労働の「承認」要求は、貨幣を伴わない交換の可能性を否定するものであることが思想史的に明らかにされる。第二に、サモア社会のおける市場化と男女役割分担が伝統と調和しながら進むことが指摘される。第三に、ポリネシアにおける扶養費請求訴訟における「レトリカル・ワーク」のジェンダーの政治学として検討される。
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