研究課題/領域番号 |
14530083
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 高知女子大学 (2003-2004) (財)労働科学研究所 (2002) |
研究代表者 |
栗田 明良 高知女子大学, 社会福祉学部, 教授 (10072654)
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研究分担者 |
山名 敦子 立正大学, 社会福祉学部, 教授 (70248871)
奥山 正司 東京経済大学, 現代法学部, 教授 (50073036)
森田 明 宮城大学, 食産業学部, 講師 (70292795)
鈴木 春子 労働科学研究所, 研究部, 研究員 (20221327)
荒樋 豊 秋田県立大学, 短期大学部, 教授 (20369276)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 介護保険制度 / 高齢者福祉 / 農山村 / 介護移住「問題」 / 住所地特例 / 地域密着型サービス / グループホーム / 有料老人ホーム等 / 農山村・過疎地域 / 「高齢核なし家族」化 / 高齢者自身の選択 / 住環境の包括的整備 / 介護移住 / 地域間格差 / 中山間地域 / 所得段階 / 後期高齢者 / 低所得対策 |
研究概要 |
周知のように、制度撹乱要因としての介護移住「問題」は制度設計当初から意識されていた。居住・移転の自由が基本的人権として保障される近代市民社会において、全国3千余(制度発足時)を数える市町村を保険者とする介護保険制度の「持続的・安定的な運営」を確保するには「住所地特例」の対象施設を実態に即して拡充せざるを得ないと考えられるからに他ならない。 とは言え、そうした介護移住が介護保険の円滑な実施を阻害し兼ねない様相を呈してきたのは、制度定着に向けて「概ね順調」な実施状況が報告されるようになった2002年、「居宅介護サービス」と位置付けられたグループホームや有料老人ホーム等の利用が急増し、第1号被保険者の保険料が「相当の高水準となる可能性」が危惧されるようになってからであり、本調査研究を起案した翌年のことであった。しかも、介護移住の多くが大都市周辺に乱立した有料老人ホーム等をめぐって展開されたこともあって、農山村とは多分に「無縁」の問題であるかのように受け取る向きが少なくなかった。 しかし、研究代表者を含む共同研究者の半数が所属機関・居住地等を異動ないし移動するといった事態の中で農山村における介護移住「問題」の展開を見据えてきた本研究の結論は、いわゆる「呼び寄せ老人」に象徴される「都市を目指す高齢者像」とは異質な、介護移住「問題」をめぐる通説に反する、優れて特殊「農山村ないし中山間的な構造」であった。従ってまた、そうした本研究成果報告書において展開した介護移住「問題」の「農山村ないし中山間的『特殊性』」に関する現状分析が当を得たものであるとすれば、それは取りも直さず今般の制度改革に対する極めて限定的ではあるが「アンチテーゼ」へと発展し兼ねない要素を少なからず孕んでいるものでもある。 もっとも、本研究成果報告書を脱稿した直後に入手した全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議(平成18年3月13日)資料によると、住所地特例の運用方法に関して「(1)被保険者からの届出を必須」とする等、「地域密着型サービス」にも済し崩し的に適用し得る余地を残されたものと評価されよう。
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