研究課題/領域番号 |
14530113
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
財政学・金融論
|
研究機関 | 青森公立大学 |
研究代表者 |
今 喜典 青森公立大学, 経営経済学部, 教授 (40107115)
|
研究分担者 |
岩根 徹 帝塚山大学, 経済学部, 教授 (20093990)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 中小企業金融 / 信用保証 / 制度融資 / 情報の非対称性 / 逆選択 |
研究概要 |
1 本研究では、わが国における中小企業向け貸出市場への公的な支援介入政策のうち、従来あまり注目されていなかった信用保証と地方自治体の制度融資をとりあげ、それらの効果を分析するため、情報の非対称性にもとづく理論モデルを開発するとともに、制度融資データを収集し、それをもちいた実証分析を行った。 2 理論研究では、中小企業向け貸出市場の特性である借手の多様性をとらえるため、Hillierなどによって提唱された二次元非対称情報という概念に注目し、二次元非対称性を組み込んだ逆選択モデルを定式化した。モデル分析の結果、借手間の内部補助のパターンの重要性が明らかとなり、競争的市場における資金配分の非効率性の性格、公的な介入の諸手段(金利補助、信用保証)の効果などを比較検討することができた。 3 実証研究においては、都道府県ごとに保証の利用、代位弁済、中小企業向け貸出、業態別シェア、倒産状況、地価、GDPなどに関するデータをもちいて、保証関数、貸出関数などの推計を行った。従来の研究では理論モデルが不明確なため、各説明変数の解釈がむずかしい場合があったが、本研究ではそれが改善されることがメリットである。これらは、「わが国の公的信用保証」、「金融緩和期におけるわが国中小企業向け貸出の特徴」として学会発表および論文で公表予定である。 4 制度融資については、従来包括的な実績データの入手が不十分であったが、全国ほぼすべての都道府県について制度融資の実績ベースの金額を得ることができた。各種制度融資それぞれの性格を検討し、その性格ごとの分類、集計を行った。予備的な実証としてクロスセクション分析によって、制度融資についての政策反応関数的な分析を行った。これらは、「中小企業金融と公的支援」、「都道府県制度融資の実証分析」として公表された。さらに、詳細に制度融資の効果を検討するため、パネル分析による推計作業を継続中である。
|