研究課題/領域番号 |
14530124
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
商学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
成生 達彦 京都大学, 経済学研究科, 教授 (80148296)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 小売店舗密度 / 効率性 / パネルデータ / 後継者不足 / 情報 / チャネルの長さ / 卸 / 系列 / フォード効果 / 卸売り段階数 / 情報の縮約・斉合 / 情報懸隔 / 空間的数量競争 / 垂直的取引制限 / 上限価格規制 / 建値制 / 流通課業遂行能力 |
研究概要 |
零細過多であると指摘されてきた我が国の小売店舗の数は、1982年の172万店をピークにそれ以降減少している。本研究ではまずはじめに、1979年から1997年までの都道府県別のパネルデータを用いた実証分析を行い、店舗密度(または店舗数)がいかなる要因に規定されているかを検討した。主要な結論は、小売店舗数の時系列的な減少傾向は、乗用車の普及と住戸あたり床面積の拡大という2つの要因によって説明されるということである。これらの要因が消費者の買い物・在庫費用を低め、社会的物流費用を最小にするという意味での「効率性」の観点から必要とされる店舗数が減少したのである。また、小売店舗密度は都市部の方が低いことが一般的に知られているが、消費者・小売店の流通コストを表す諸変数でコントロールすると、むしろ都心部ほど実質的な小売店舗密度が高くなっていることが明らかとなった。 第2に、1970年代以降の30年間にわたる日本の消費財のパネルデータを用いて、卸売段階数の規定因に関する実証分析を行った。ここでは、流通の各段階で発生する情報の伝達が制約を受けるため、情報を獲得した主体がそれを利益に転換するために流通に介入する結果、流通経路が長くなるという仮説を立てている。主要な結論は、流通経路の長さが消費地卸の比重と系列化の進展に規定されているということである。また、消費地卸の比重を規定する要因として、地域の需要変動の独立性、下流における広告宣伝活動の重要性および小売店舗数を挙げることができる。これらが消費地卸の情報の価値を左右すると考えられる。さらに、その他卸の比重を規定する要因として、系列化の進展(と同じ市場環境要因)、地域の需要変動の独立性および広告による製品差別化の程度がある。
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