研究概要 |
本研究と関連のある研究成果は3点である。第一点はOrganizational commitment and performance in Japanese information technology firmsといい、IT企業におけるコミットメントとパフォーマンスの関係を考察したもので、アジア経営学会で発表した論文である。主な結果は高いITの利用度と高いコミットメントは高い企業の貢献を生み出すことが分かった。一方、IT利用度が高くてもコミットメントが低ければ、企業への貢献は低くなると究明した。こうしたコミットメントに関する結果は第3点の論文に取り入れて分析する。2点目の論文のタイトルはNational Culture and Organizational Behavior of Malaysian and Japanese Firmsである。この論文はマレーシアの企業と日本の企業において、ナショナルカルチャーがどの程度企業行動に影響するのかを測定したものである。分析フレームワークは4つの場面を焦点に当てる。つまり、パワー関係および部下へのコントロール、人間関係、動機づけシステムである。分析した結果は、ナショナルカルチャーがパワー関係と部下へのコントロールに影響を持つ。これらの結果は3本目の論文に取り入れて研究を続けた。3点目の論文はManagerial work roles, influence tactics, and commitment - a study on organizations in Western Japanである。論文の目的は、マネジャーの役割や影響戦略、企業に対するコミットメントの関係を探ることである。結果は4つのマネジャー役割は全ての影響戦略を使用することが分かった。さらに分析して見ると、マネジャーの役割は主に企業から得た権限によることが判明した。コミットメントとの関係については、企業から得た権限が最も強い関係をもつことが明確になった。
|