研究概要 |
本研究は,2つの目的をもってのぞんだ。1つには約40年間の長期スパンで,ダイエー,イトーヨーカ堂,セブン-イレブン・ジャパンの経営行動に着目し,「流通革命」の経緯を明らかにすることである。そしていま1つの目的は,単なる歴史的事実の後付にとどまらず,1980年代初頭に生じた消費パラダイムの激変および90年代前半のさらなる潮流の変化を,実態に即して検討することである。すでに脱稿している「ダイエーの経営戦略-流通革命の軌跡」,「流通システムの革新-イトーヨーカ堂の『業革』」(『経営と情報』静岡県立大学経営情報学部,第15巻第1号,2002年9月)そして学会報告「『流通革命』の分水嶺-1980年代初頭の消費選好の激変と大規模小売店舗法の影響」(社会経済史学会第71回全国大会,2002年5月)にくわえ,「1980年代初頭の外部環境の変化とイトーヨーカ堂の流通イノベーション」(日本商業学会関東部会兼経営史学界関東部会大会,2003年7月19日),「外部環境の変化と企業家イノベーション」(経営行動研究学会第13回全国大会,2003年7月27日),「外部環境の変化と流通イノベーション-1980年代初頭から半ばにかけてのイトーヨーカ堂の事例研究」(日本経営学会第77回全国大会2003年9月6日),「1980年代初頭の外部環境の変化とダイエーの経営戦略」(日本流通学会第17回全国大会,2003年10月24日)を発表し,各学会誌に投稿している。 さらに,これまでの研究成果をまとめ,平成16年度に科学研究費研究成果公開促進費を申請し,慶応義塾大学出版会から『争覇の流通イノベーション』として刊行することを企図している。また,研究成果を活用して,平成16年5月,『現代商業の機能と革新事例』を多賀出版から刊行する。
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