研究課題
基盤研究(C)
本研究の課題は、占領下西ドイツにおける労使共同決定システムの形成過程を明らかにし、ドイツ企業の労務管理のあり方を規定する労使関係の特質を解明することにあった。一般にドイツにおける労使関係の大きな特徴の一つに、産業別に組織された労働組合と、事業所、経営内の経営評議会との並存を指摘することができる。現在では、二つの組織は役割を分担しているものの、敗戦直後に結成された経営評議会が労働組合の再建を支援するとともに、古参の組合員たちによる両組織の再建も進められていた。敗戦直後、労働組合では経営評議会を基盤とする統一組合の結成が意図されていたが、経営評議会に対する不信と政治的対立、さらに占領政策から、経営評議会の経営評議会組織からの組織的な分離とともに、自由労組とキリスト教労組を基盤とする統一組合の結成が進められた。このような経営評議会は、ナチス支配に対する反省から、職場の非ナチ化、さらに最高意思決定機関への参加を求めていた。イギリス連合軍と企業側は、経営者支配の正当性の維持や労使関係の「安定」を課題に、比較的穏健な労働組合の意向を受け入れ、労働組合を企業の意思決定に参加させることで、労使関係の「安定化」を図ろうとしたものと考えることができる。そうだとすれば労使共同決定システムの課題は、労働組合運動の転換を背景に、経営者支配の正当性を維持しながら、職場労使関係の「安定化」をはかることにあったとみることができるであろう。
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商学集志 75巻1号(刊行予定)
40007071737
Nihon University Journal of Business vol.75, No.1(fothcoming)
商学集志 74巻2-4号
ページ: 321-334
40007290270
The transformation of personnel and employment system, and industrial relations : labor and management review(ed.by Japan academy of labor and management) No.13
ページ: 117-128
Nihon University Journal of Business vol.74, No.2-4
労務理論学会会誌 13号
商学集志 74巻2〜4号
商学集志 73巻1号
ページ: 31-42
40006034679
Nihon University Journal of Business vol.73, No.1