研究課題/領域番号 |
14530170
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
会計学
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
井原 理代 国立大学法人香川大学, 地域マネジメント研究科, 教授 (90036038)
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研究分担者 |
桑原 正行 国立大学法人香川大学, 地域マネジメント研究科, 助教授 (50325312)
辻川 尚起 (辻川 尚紀) 国立大学法人香川大学, 地域マネジメント研究科, 助教授 (50346631)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 複式簿記システム / 会計理論 / リーガーの簿記観 / リーガーの会計観 / 資本主観論 / 資本主簿記 / 価値関連性研究 / 企業価値 / 会計制度 / 新会計基準 / 会計実務 / 簿記処理 / 簿記教育 / 純資産簿価 / 勘定理論 / ドイツ貸借対照表論 / リーガー学説 / アメリカ近代会計学 / 会計情報 |
研究概要 |
本研究は、次のような問題意識とアプローチによるものであった。古代ローマに遡る簿記システム、また中世イタリアに誕生をみる複式簿記システムは、その長い歳月とともに確立された固定的なシステムと捉えられ、それゆえに複式簿記システムに基づく会計システムは、複式簿記システムによって規定されることになるとみなされがちである。「簿記で表わせないものは会計の対象とならない」という発想である。他方、近年の会計制度・会計基準の大変革は、固定的な「簿記で表わせない会計対象」を生じさせたことから、複式簿記の存在意義が弱まり、その危機すら指摘される。 はたしてそうだろうか。複式簿記システムは固定的なものなのか。あらためて、その捉え方ならびに機能について考察するべく、簿記観と会計観、さらにその基底との関連を明らかにする、また簿記会計史の観点から会計主体理論の特徴や問題点を明らかにする、さらに企業価値を関連性に関する価値関連性研究の系譜という視点から複式簿記の今日的機能を探る、というアプローチによった。 それぞれのアプローチから浮き彫りになる複式簿記考を次のようにとりまとめ、本研究の結言としたい。 複式簿記システムは固定的でなく、柔軟にして弾力的である。より正確にいえば、複式簿記の形式的基本構造は固定的といえようが、その解釈は、会計観ならびにその基底にある基本思考によって、あるいは会計理論における本質的な問題によって柔軟にして弾力的であり、それゆえ、近年の会計制度・会計基準の大変革のなかでひとつの経済構造的背景をもった、新たな今日的解釈と機能が要請されるのは当然の成り行きであると同時に、その要請に応えなければならないことになる。
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