研究概要 |
「複式簿記とは何か」の問題を解明するために、ドイツ固有の簿記にイタリア簿記が移入される16世紀前半、イタリア簿記に同化していく16世紀後半、したがって、「16世紀のドイツ簿記」に遡源することで、複式簿記の歴史性と論理性を模索する。特に、ドイツ固有の簿記にイタリア簿記が移入される16世紀前半、したがって、「16世紀前半のドイツ簿記」、具体的には、1494年に刊行された印刷本"Summa"に遅れること4半世紀後の1518年にH.Schreiberによって刊行された印刷本、さらに、後4半世紀にかけても、1531/1546年にはJ.Gottliebによって、1537年にはvon Ellenbogen, Erhartによって刊行された印刷本では、そればかりか、1565年にKaltenbrunner, Jacobによって刊行された印刷本でも、ドイツ固有の簿記が展開、かつ発展されるだけに、これがどのように展開、かつ発展されたのか、これに対して、1549年にW.Schweickerによって刊行された印刷本では、"Summa"を紹介して、イタリア式簿記が移入されるだけに、これがどのように交渉されたのか、それぞれの背後にある「歴史性」、それぞれの根底にある「論理性」を想像ないし創造する。そうすることによって、「複式簿記とは何か」の問題を解明する。
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