研究概要 |
代数群というとき,その指し示す範囲はさまざまであるが,最も広汎なのはアフィン群(スキーム),即ち可換代数のカテゴリー上の表現可能な群関手,であって,それは可換なホップ代数により表現される.表現するホップ代数が有限生成であるとき,アフィン群の体における有理点全体のなす群が線形代数群に他ならない.線形代数群より一般にアフィン群,又は同値に可換ホップ代数を考察することで有限生成,標数ゼロ,代数閉体といった仮定をはずせることが多い.非可換なホップ代数にまで範囲を広げれば,量子群の概念に到達する.今年度は非可換ホップ代数の立場から,アフィン群,スーパー・アフィン群,及び非可換主等質空間たるホップガロア拡大について研究し,それぞれ次の論文として成果を発表した. ・(単著)Hopf cohomology vanishing via approximation by Hochschild cohomology ・(共著)Unipotent algebraic affine supergroups and nilpotent Lie superalgebras ・(単著)More homological approach to composition of subfactors また最後の論文の成果を第15回ラテンアメリカ代数コロキウム(メキシコ)において口頭発表した.Ocneanuらが示した,既約なdepth2のII_1型部分因子環と半単純ホップ代数との間の対応を,特別ではあるが重要な場合により具体的な形で与えるもので,ホモロジー代数とホップガロアのアイデアを用いる.
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