研究課題/領域番号 |
14540015
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
秋山 茂樹 新潟大学, 理学部, 助教授 (60212445)
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研究分担者 |
伊藤 俊次 金沢大学, 工学部, 教授 (30055321)
谷川 好男 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (50109261)
松本 耕二 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (60192754)
吉原 久夫 新潟大学, 理学部, 教授 (60114807)
竹内 照雄 新潟大学, 理学部, 教授 (10018848)
明石 重男 新潟大学, 理学部, 教授 (30202518)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 記号力学系 / タイル張り / 数系 / Pisot数 / フラクタル / ゼータ関数 |
研究概要 |
W.P.ThurstonのアイデアによるPisot数に対応する双対タイル張りは、高次の無理回転の自然拡大とマルコフ分割を数論的かつ具体的に導く重要な方法である。この間の研究で弱有限性条件とThurstonタイル張りが本質的に一重被覆となることの同値性が明らかになっている。この弱有限性条件は全てのPisot単数がもつ性質と予想される。論文5では,H.Rao, W.Steinerとの共同により、3次Pisot単数が弱有限性を満たすことなどを示した。 一方、Pisot双対タイル張りの類似だが構成は対極にある標準数系研究も進んだ。論文1ではH.Raoとの共同で標準数系の新しい特徴づけを得た。さらに、Pisot数系と標準数系に共通の一般化であるシフト基数系を導入した。この数系は初等的対象で記号力学系と密接に連関している。これに関してA.Pethoe, J.Thuswaldner, H.Brunotteらとの共同研究が発展している。フラクタルタイルの位相的性質については、N.Gjiniとの共同研究(論文4)、 J.Luo, J.Thuswaldner等との研究(論文2)が出版された。数系の代数的な特徴づけの問題はシフト基数系の構造の研究に帰着される。また数系の特徴づけは代数体の冪整数基と関連しており、この観点で竹内との共同研究を進めている。 Pisot数と関連するSalem数のべき乗の小数部分は[0,1]で稠密であるが、論文5において谷川との共同でこの分布の詳しい性質を調べた。タイル張りのゼータ関数の良い定義を考え、解析的性質をしらべる方向で松本との共同研究が進んでいる。substitution力学系のなす複体は伊藤らにより定義されているが、そのホモロジカルな性質について吉原との共同研究を行っている。 この間の経過をまとめ、日本数学会の雑誌「数学」(論文6)に論説を書かせていただく機会を得た。研究方向が多岐に分化し、全体像を把握するのが難しい状況が近づいており、現時点での到達点をまとめることで、より多くの研究者に関心を持ってもらえる事を期待している。
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