配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
半整数ウェイトの保型形式のニューフォームの理論の構築という目的で研究を行い,各年度に以下のような結果を得た. まず,偶数conductorを持つ指標に関するTwisting作用素のトレース恒等式を一般の偶数レベルにおいて証明した(2002年度).この恒等式の形は,予想されていた通り半整数ウェイトのTwisting作用素のトレースが,整数ウェイトのヘッケ作用素とアトキン-レーナー作用素の一次結合として表されるというものであった.また,この研究の副産物として・以前から存在が予想されていたもののこの15年間未発見だったレベル64の半整数ウェイトHecke作用素のトレース恒等式を見出す事が出来た. 次にこのトレース恒等式を用いて,レベルが2のべきの場合のニューフォームの理論を構築することに成功した(2003年度).これには,トレース恒等式のほかに昨年度から継続して研究してきた,有限環上の線型群の表現とフーリエ係数の非零性との関連性が必要となった.具体的には,ニューフォームの空間を作るためにカスプ形式の空間から取り除かれるべき部分(オールドフォーム)を完全に記述することが出来るようになった. 2004年度には最終的な目標である一般レベルでのニューフォーム理論の構築のために有限環上の線型群の表現とフーリエ係数の非零性との関連についての結果を2べきに限らない全ての偶数レベルに対して拡張していくことを目指した現在主要な計算は終了し,最終的な取りまとめの計算を実行中であり,2005年度中の完成を目標としている.
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