研究概要 |
我々は,類数や単数群という古典的な代数体の代数的構造および関連した不定方程式の研究を行ってきた。A1)では,explicitな基本単数系をもつ実2次および4次体を構成した。この単数群の構造がexplicitに分かる体の構成は,整数論的には非常に大きな意味があり,岸氏との共同研究B2)では,この成果を用いて与えられた類群をもつような体の無限系列を構成した。また連立ペル方程式の整数解の正整数解の構造の研究A2),B1)では,一般的な結果と共にABC予想を仮定した場合には,よりシャープな個数の評価ができ,その正整数解は,ある系列の実2次体の基本単数と対応していることを示すことができた。なお我々がこの3年間に得た成果として発表した論文は,次の3論文である。 A1)「On a family of real bicyclic biquadratic fields」(CRM Proceedings 36(2004)) A2)「On simultaneous diophantine equations」(Acta Arithmetica 108(2003)) A3)「On zeta functions associated to finite groups」(Advanced Studies in Contemp.Math. 4(2002)) また国際会議で発表した論文は,.次の2論文である。 B1)「On a family of simultaneous Pell equations」(The 9^<th> Japan-Korea Joint Seminar on Number Theory 2004 Oct. at Kujyu) B2)「An infite family of imaginary cyclic fields of degree p-1 which have ideal class groups of p-ranks greater than one」(Yokoi-Chowla Conjecture and Related Problems(2003 Oct. at Nagoya)) なお上記の国際会議「Yokoi-Chowla Conjecture and Related Problems」は,佐賀大学の中原教授の科研費(14540033)および我々の科研費を用いて横井英夫教授の協力で名古屋大学多元数理研究科において我々が開催した研究集会であり2004年に古川出版から報告書(ISBN4-921090-99-8)を出版した。
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