研究概要 |
平成15年度のかなりの期間は、14年度に得られた結果を論文にまとめる作業に費やされた。 局所体のwildな分岐をする拡大の研究において、saturated distinguished chain(SDC)が重要なデータを持っていることが確かめられている。 ★Kを局所体とし、L/Kをtotally ramified Galois拡大で拡大次数がp(Kの剰余体の標数)の冪とする。 1.真の高次分岐群が1つの場合、またはL/Kが(m, m,【triple bond】,m)型の分岐をしている場合(つまり、G⊃_≠H_<n-1>⊃_≠H_<n-2>⊃_≠【triple bond】⊃_≠H_1⊃_≠{1}をすべての相異なる高次分岐群としたとき、(G : H_<n-1>)=【triple bond】=(H_2:H_1)=|H_1|=m)、SDCからcanonicalな体の列が生じた: 【numerical formula】 ここに現れたK=∪^∞_<n=1>K_nがuniversalな体であることが14年度にわかったので、その結果を論文にまとめた(投稿中である)。 2.L/Kを、今度は真の高次分岐群を2つ持つ拡大とする。この場合、高次分岐群をG⊃_≠H_2⊃_≠H_1⊃_≠{1}とし、(G : H_2)=m_3,(H_2:H_1)=m_2,|H_1|=m_1とすると、m_1,m_2,m_3の大小関係により13の場合がある。14年度にそれらすべての場合に対してSDCを求めたので、その結果を論文にまとめる作業が続いている。 3.以上のほかに、KがQ_pの有限拡大の場合、K/Kのコンダクターが有限であることからCoates-GreenbergによりH^1(K, m^^-)≠0(m^^-は<Q_p>^^-の整数環の最大イデアル)であることがわかっているが、H^1(K, m^^-)(の周辺)についての計算を少し始め、いくつかの結果を得ている。
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