研究分担者 |
庄司 俊明 名古屋大学, 大学院・多元数理研究科, 教授 (40120191)
原 民夫 東京理科大学, 理工学部, 教授 (10120205)
小林 隆夫 東京理科大学, 理工学部, 教授 (90178319)
細尾 敏男 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (30130339)
田中 隆一 東京理科大学, 理工学部, 講師 (10112898)
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研究概要 |
(1)イデアル類群の構造を解明するために,特に奇素数pに対するp-円分体の相対類数を研究した.最初に,行列式によって相対類数が表現されるMaillet型およびInkeri型行列に対応するStickelbergerイデアルの基底を構成した.当然のことながら,このイデアルの群環における群指数は相対類数と一致する.次に,Inkeri行列の成分である特殊商を係数にもつ多項式を考え,これとある円分多項式との終結式を考察することによりLehmer型の類数公式を導いた.その結果,Lehmerが得たものとは異なる相対類数の有理整因数が決定され,その素因数が満足すべき条件を与えることができた. (2)相対類数と深く関係しているベルヌイ数の性状に関する研究として,Fermat-Euler商を含むVoronoi型のベルヌイ合同式を開発した.この合同式は多くの場面に応用することができる.例えば,P-進L関数の構成に必要なKummer型合同式や平方剰余の分布と2次体の類数が関係する古典公式を包含した新しい形の公式を与えたり,相対類数の特性を記述した有名なVandiver合同式に新しい証明を与えることができた. (3)第1種および第2種Stirling数の合成積を研究し,組合せ論の手法を用いて高位のベルヌイ数(Norlund数)および第2種ベルヌイ数に関する種々の新しい特性を発見し,また漸化関係式を開発した.これらの結果は,今までに発見されてきたものを殆ど全て包含しており,今後のベルヌイ数の研究に少なからず貢献するものと考える.
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