研究課題/領域番号 |
14540057
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
幾何学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小谷 元子 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50230024)
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研究分担者 |
藤原 耕二 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60229078)
塩谷 隆 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90235507)
砂田 利一 明治大学, 理工学部, 教授 (20022741)
大仁田 義裕 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90183764)
井関 裕靖 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90244409)
納谷 信 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (70222180)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 結晶格子 / 磁場付き推移作用素 / 中心極限定理 / ランダムウォーク / ハーパー作用素 |
研究概要 |
周期性をもつグラフ(有限グラフのアーベル被覆グラフ)を結晶格子という。結晶格子に周期的な磁場がかかっている場合の電子の振る舞いを表す有界自己共役作用素を磁場付き推移作用素という。まず、結晶格子の「磁場付き推移作用素」を定義し、それが妥当な定義であることの証拠として、中心極限定理を得た。即ち、磁場付き推移作用素が時間無限大でユークリッド空間の磁場付きラプラシアンに収束することを示した。更に、このときのユークリッド計量および、極限に現れるベクトル・ポテンシャルの幾何学的意味を明らかにした。次に群のコホモロジーを用いて結晶格子における「磁場」を定義し、磁場付き推移作用素のスペクトルの磁場に関する依存の滑らかさを調べた。磁場付き推移作用素を磁場によって定まるC*環の元と見ることが本質的である。C*環の連続場および、非可換トーラスの微分構造を用いて、磁場に滑らかに依存する自己供役な作用素のスペクトル端は磁場に対してリプシッツ連続性を持つことを示した。 また、磁場のないばあい、すなわち結晶格子のランダム・ウォークに関して大偏差原理が成立することを示し、その幾何学的意味をあきらかにした。結晶格子のスケールをゼロに収束させると、有限次元ベクトル空間にバナッハ距離を入れた距離空間にグロモフ・ハウスドルフ収束するが、この極限距離空間と大偏差に現れるレート関数に関係があることを観察し、バナッハ距離が結晶格子の幾何で具体的に求まることを示した。
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