研究分担者 |
坪井 昭二 鹿児島大学, 理学部, 教授 (80027375)
與倉 昭治 鹿児島大学, 理学部, 教授 (60182680)
愛甲 正 鹿児島大学, 理学部, 教授 (00192831)
赤堀 隆夫 兵庫県立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40117560)
大本 亨 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20264400)
黒川 隆英 鹿児島大学, 理学部, 教授 (20124852)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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研究概要 |
特異点へのアプローチには,定義方程式に基づく代数的方法の他にその内在的構造に基づく解析的アプローチが考えられる.本研究では,正規孤立特異点のモジュライへの解析的手法によるアプローチの展開として,『境界CR構造』によるアプローチとともに『非特異部分の複素構造』や『特異点解消空間の複素構造』によるアプローチを組み合わせて行った.そこでは,『非特異部分や境界・特異点解消空間等の内在的複素構造と特異点を結びつけるには複素ユークリッド空間への写像を安定的に保つという性質が本質的的である』という視点の下に,次のような研究を行った.(i)非特異部分の複素構造に基づいて完備変形族の構成を行う,(ii)特異点解消空間の複素構造の変形に基づいて,Res-関手の完備族の構成を行う,(iii)それらの解析的構成に基づいて,正規孤立特異点のモジュライ空間の構造を特異点の内在的構造により表現する. それぞれ,以下のような成果を得た. (i)『複素ユークリッド空間への写像を安定的に保つという』変形では正則写像により複素構造が決定されており,そこに開多様体に纏る境界条件の問題を回避する方法があるということを明らかにした.そのことにより,強擬凸多様体上でのノイマン作用素のsharp estimateを利用して完備族の構成を行った. (ii)特異点解消空間では,正則写像だけでは複素構造が決定されないのでより複雑な状況になる.新たに,その状況でのモジュライを扱う解析学を確立し,更に(i)で採用した完備族構成のテクニックを組み合わせれば完備族構成が可能であることを示した. (iii)(ii)で得られた完備族の構成法に基づき,錐特異点の場合に境界CR構造のモジュライと特異点解消空間のモジュライの結びつきを明らかにした.それに基づき,同時特異点解消という現象の微分幾何的構造に基づく解明を行った.
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