研究概要 |
異なる空間の幾何構造の双対性をダブル・ファイバリングを通したツイスター対応によってみていき,いろいろな微分方程式や可積分な場の理論の本質や方程式自身あるいは解の構成に応用していく. 1. Lagrangian対をもつMonge-Ampere系:Hessian=定数やGauss曲率=定数(0でない)であるMonge-Ampere方程式をintrinsicに拡張して,接触多様体上にLangranigian対をもつMonge-Ampere系を定義し,いろいろな性質を調べた.5と7次元モデル空間の場合に,Legendre双対を通して,解の大域性,特異性を調べ,genericな2次元幾何的解の特異点は4通り,3次元の特異点は余分な特異点が付け加わって11通りである. 2.Goursat方程式とツイスター理論:2階偏微分方程式で,放物型でMonge系が可積分であるGoursat方程式を,ツイスター理論的解釈ができ,Lagrange-Gressmann双対性を使って方程式自身を,Cartan-Legendre双対性を使って解の構成をおこなった. 3. Clairaut方程式とツイ子ター理論:微分方程式における特異解の概念の例であるClairaut方程式の本質がツイスター理論そのものであることをみた.直線群や平面群の部分族を表す階数の下がった一般形微分方程式(系)ととらえて,いろいろな拡張を考えた. 4.タイプ(4,7)分布:非退化なタイプ(4,7)分布は接触構造と違って有限型であり,正規Cartan接続が構成でき2つの曲率不変量をもつ.楕円型はインスタントンと関係があり,双曲型は5次元のLegendre測地線と関係し,道の幾何学を通してツイスター理論が展開される. 5. SU(3)型U(1)インスタントン:SU(3)構造をもつ6次元多様体上でU(1)インスタントンを定義して,運動方程式,作用積分を導出した.特にnearly Kahler多様体において,S^4,CP^2のツイスター空間であるCP^3,F_{12}上のHopf束のU(I)インスタントンの構成,モジュライを考えた.
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