研究概要 |
本年度(2003年度)では,有限要素法の誤差に関する基本的な問題について研究を行い,以下のような成果をあげた. (1)抽象的なHilbert空間,Banach空間において定義される線形方程式に,(非)線形compact項を付け加えた線形,あるは非線形問題を考える.そのような問題に対するGalerkin法の誤差解析が統一的な手法で扱えることを発見した. (2)「ダム問題」といわれる楕円型自由境界問題に対する「試行自由境界法」の厳密解への収束を,極小曲面の手法を使うことにより,数学的に厳密に証明した. (3)1次元有界区間上の2点境界値問題に対する区分2次有限要素法の剛性行列の逆行列の陽的公式を発見した.その公式を用いて,区分2次有限要素法の誤差について徹底的な解析を行った.その結果,主要項の係数関数の連続性や正値性が成り立たなくても,不連続点が有限要素の節点になってさえいたら,知られている誤差限界がすべて成り立つことがわかった.
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