研究概要 |
Upper bound graph,double bound graph,semi bound graph等は,posetの要素間の関係から構成されたグラフである.これらのグラフの族に対して,non-maximal cliqueの性質を検討することにより,bound graphの性質がどのようにposetの構造に影響を及ぼしているかを明確にすることができた.特に,vertex-clique接続行列の性質から,各頂点に対応するnon-maximal cliqueの性質を明確にし,non-maximal cliqueの族の持つ半順序性から,double bound graphやsemi bound graphの新たな特徴付けを得た.また,同じsemi bound graphを持つposet間の変換に関する性質を捉えることができた. これらの結果に基づいて,多くの結果を得た.極大でないcliqueに関する観点から無限posetに関するdouble bound graphやupper bound graphを捉えることにより,non-maximal cliqueとposetのinterval,order ideal等との関係が解明でき,無限posetに対応するdouble bonnd graphの新たな特徴付けを得ることができた.また,無限tree posetに関するupper bound graph及びdouble bound graphの性質を解明し,これらのグラフの族の特徴を捉えることができた. Upper bound graph及びdouble bound graph等のグラフ族の持つbound graph性に関する遺伝的な性質を解明し,hereditary upper bound graph,hereditary double bound graph及びhereditary semi bound graphの族に対するposet及びforbidden subgraphの観点からの特徴付けを得た. また,canonical poset上の極小元と非極小元の間の関係に基づく変換の観点からorder ideal及びkernelを再検討し,これまでより比較条件の少ない同じupper bound graphをもつposet間の変換を得ることができた.
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