配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
種数2の閉リーマン面を1次元複素射影空間上の分岐点を6個もつ2重被覆面とみ,これらの分岐点のうちの1つを無限遠点とする。無限遠点以外のすべての分岐点が同等に動き得る場合に閉リーマン面の退化を考察した。この場合に分岐点の差の比をテータ定数で表す方法を考案し,その有用性をまず種数1の場合に確かめ,種数2の場合にも適用した。閉リーマン面のヤコビ多様体が極限に移行したとき,この分岐点の差の比がどのように変化するか考察し,種数2の閉リーマン面の退化したものとしてどのような特異点をもった曲線が考えられるかがわかった。 また,ヤコビ多様体の極限をどのように考えるかも問題である。アーベル多様体のモデュライ空間のコンパクト化はまず最初に佐武により与えられた。その後,他のコンパクト化も考えられた。アーベル多様体とその上の関数体(アーベル関数体)を一緒に考えたとき,その極限にはアーベル関数体の極限としての関数体をもつことを要請するのは極めて自然である。アーベル関数体の極限の関数体は代数的加法定理を許す有理型関数のなす体とするのもまた自然な考えである。そのような関数体は、Weierstrassが主張していたものであり,それを決定した。この観点からは佐武コンパクト化が一番自然なコンパクト化であり,上の極限移行では佐武コンパクト化での極限とそれに対応する閉リーマン面の退化を考えている。
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