研究概要 |
本研究は,(1)非負作用素の超幾何関数の構成,と(2)複素Ginzburg-Landau方程式に対する初期値境界値問題の適切性の確立についてなされた. (1)超幾何関数に対する積分表示を基に"右"非負作用素の超幾何関数F(α,β,γ;A)を定義し,それから(可逆な)非負作用素の分数幕と対数に対する既知の表示が実は右非負作用素の超幾何関数で書けることを示した.例えば,(logA)u=log(1+A)u-log(1+A^<-1>)uは次のように表される: (logA)u=F(1,1,2;A)Au-F(1,1,2;A^<-1>)A^<-1>u ∀u∈D(A)∩R(A). (2)複素Ginzburg-Landau方程式(Ω⊂R^N;λ,K>0;α,β,γ∈R;i=√<-1>) u_t-(λ+iα)Δu+(κ-iβ|u|^<q-2>u-γu=0 on Ω×(0,∞) に対する初期値境界値問題では,得られた結果を,初期値に解を対応させる解作用素{U(t);t【greater than or equal】0)の評価として意味付けることができる.今回の成果を粗く述べれば2【greater than or equal】q【greater than or equal】2+4/Nのときこの解作用素{U(t)}が非縮小半群を形成すること:L【greater than or equal】1とω∈Rに対して ‖U(t)u_o-U(t)υ_0‖_<L_2>【greater than or equal】Le^<ωt>‖u_0-υ_0‖_<L_2>,t【greater than or equal】0,u_0,υ_0∈L^2(Ω) を示したということになる.今回は,平成12年度の(L=1,ω=γを主張する)結果と比べて,非線形項の複素係数κ+iβに制限を置かない分,非線形項の冪qに強い制限を課すことになった.
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