研究課題/領域番号 |
14540222
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
梅林 豊治 山形大学, 総合情報処理センター, 助教授 (60183753)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 星間雲 / 星の形成 / 星間分子 / 星間磁場 / 化学進化 / 種族II |
研究概要 |
この研究は、重元素の量が少ない種族IIのガス雲における物理・化学進化を調べ、星の形成と物質の存在形態を明らかにすることを目指している。このようなガス雲は通常の暗黒星雲とは著しく異なるので、星の形成とその化学進化は大きく変化する。これを明らかにするため、本課題の実施期間中に行った研究の成果は、次のとおりである。 1.ガス雲を貫く磁束の散逸過程における固体微粒子(ダスト)の役割を一般的に調べ、電離度がきわめて低い星間ガスでは低密度からダストが磁場とガスの結合に主要な寄与をしていることを明らかにした。磁場の散逸時間は、ガスの収縮による密度の上昇に伴って、オーム散逸の場合と同様、磁場強度に依存しなくなること、その時間はオーム散逸に比べて10倍程度小さく、微少なダストの存在によって星間ガスを貫く磁束の散逸がきわめて効果的に起こることが示された。 2.種族IIのガス雲でガスの電離過程を明らかにするには、放射性核種の壊変に伴うガスの電離率を求める必要がある。さまざまな核種の寄与を調べた結果、長寿命核種では^<40>K、^<87>Rb、^<232>Th、^<235>U、^<238>Uが、現在は存在しない短寿命核種では^<10>Be、^<26>Al、^<41>Ca、^<53>Mn、^<60>Feなどが重要であることがわかった。 3.種族IIのガスの化学進化を明らかにするには、温度が100K以上の場合に対応した化学反応ネットワークを構築する必要がある。この反応データベース構築に必要な基礎資料の収集を進めると共に、現有ネットワークで計算可能な50Kまでのガスについて分子存在量の時間進化を求めた。その結果、この温度範囲では、温度変化の影響は重元素量の変化が及ぼす影響ほど大きくないという結果を得た。
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