研究課題/領域番号 |
14540225
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
池内 了 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90025461)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 中間質量ブラックホール / 超巨大質量ブラックホール / 恒星レムナント / コア・ハーロー構造 / スターバースト / 銀河M82 / 3体衝突 / 遠隔2体重力相互作用 / 高密度星団系 / M82 / ガスの粘性抵抗 / 大質量ブラックホール / 激しい緩和過程 / ブラックホール / 巨大銀河風 / 高光度X線源 / チムニー構造 / 分子雲 / 活動的銀河核 / 電波輝線 |
研究概要 |
研究の3つの柱として、(a)星密度の高い星団におけるスターバースト現象、(b)スターバースト後の恒星レムナントの重力相互作用による中間質量ブラックホール(IMBH)の形成、(c)IMBH間の重力相互作用による超巨大質量ブラックホール(SMBH)への成長、を考えてきた。これら3つの段階は、それぞれ独立した項目として切り離して進めることができる。 まず、(a)の段階では、スターバースト現象において、どのような恒星レムナントが残されるかを検討した。通常の質量関数ではブラックホールや中性子星のレムナントは少なすぎるので、フラットな質量関数を仮定しなければならないことが判明した。続く(b)の段階では、恒星レムナントを観測されている星の分布と同じ空間分布を仮定し、通常のガウス型の速度分布とすると、レムナント系は遠隔2体重力相互作用でコア・ハーロー型構造へ進化する。やがて、3体衝突が効き始めて高密度レムナント団となるが、問題は、それ以後断熱的となるために収縮が極端に遅くなり100億年の間にIMBHへと進化しないことである。そこで、ガスが共存していると仮定し、ガスの粘性効果を取り入れ、また超音速で運動するレムナントによる衝撃波の形成とその散逸効果を考慮したが、十分な冷却効果にはならず、半径10pcの球内に10万太陽質量が集積する程度となった。(c)の段階では、重力相互作用によって100億年の間でSMBHになりうる条件を求めたところ、半径1pcの球内に100万太陽質量が集積することが必要と結論が得られた。とすると、(b)の段階で得られた高密度レムナント団とは、4桁の差があり、このギャップを埋めることができなかった。従って、(b)から(c)に至るプロセスで、ここでは考えなかった新しい物理過程を想定しなければならず、この研究は今後の研究への指標となると考えている。
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