研究概要 |
平成16年度は、当該研究の最終年度であり、いくつかの、論文と国際研究会での口頭発表によって成果の公開をおこなった。まず、褐色矮星の分光的分類と有効温度の関連において、晩期型L型矮星から早期型T型矮星にかけての有効温度の停留を見出し(Nakajima, Tsuji & Yanagisawa 2004,ApJ)、またモデル大気の観点からの、分光的特徴の変化の解釈もおこなった(Tsuji, Nakajima & Yanagisawa 2004,ApJ)。褐色矮星、巨大惑星の探索は、2004年8月より系統的に、すばる望遠鏡を用いて開始され、その中間報告は、Ultra Low Mass Star and Formation Workshop (La Palma, Spain)における招待公演として発表され、また、欧州の査読学術誌Astronomical Notes(2005, December issue)に掲載予定となっている。褐色矮星は、かっての暗黒物質の候補であり、内部構造としては、電子の縮退圧の支える低温天体である。褐色矮星問題の応用として、銀河団の中心部の密度分布を、非常に軽いフェルミ粒子が暗黒物質であり、それが縮退している場合説明可能なことを示した(Nakajima & Morikawa 2005,ApJ submitted)。最後に、2005年8.月に3年間の成果をまとめ、成果報告書を作成した。これは、A4版で153ページの冊子である。
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