研究分担者 |
林 嘉夫 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00106337)
吉越 貴紀 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (30322366)
宗像 一起 信州大学, 理学部, 教授 (40221618)
小島 浩司 名古屋女子大学, 家政学部, 教授 (80125111)
林田 直明 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (50114616)
藤本 和彦 名古屋女子大学, 家政学部, 教授 (10022617)
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研究概要 |
大規模な太陽フレアの発生などによりCME(Coronal Mass Ejection)が生じ,その影響により地球上において磁気嵐や時には大規模な停電など種々の影響を受ける事が知られている。この様な現象の発生メカニズムとCMEの伝播等に関して,その基礎的理解をより良く図るために,今回の研究は計画された。既に,我々はインドのウーティ山において同様の観測を実施しており,それと殆ど同型の装置を明野観測所において建設し,約7,000km離れた地点で立体的に現象を観測する。これだけの大面積(〜75m^2と〜600m^2)を持つ狭角望遠鏡はこれまでの観測史上初めてであり,より統計精度の良い観測が期待出来る。平成17年9月現在では本研究費補助金によって,明野観測所において2台(50m2)の新しい検出器が稼働中である。3台目の観測装置は比例計数管部分の組み立てが終了し,データ記録回路、インターフェース回路,トリガー回路などを大阪市立大学において製作中であり,来年度早々に装置に組み込んで観測を開始出来る予定である.現在使用中の光ファイバーによるネットワークシステムはAGASA実験に固有のシステムであるので,故障した場合廃棄される予定であるので,公衆回線を通したADSL化を進めている. 平成16年7月30日,31日に銀河系宇宙線のロスコーン型の異方性と見られる一次宇宙線の異方性が,明野観測所とウーティ山宇宙線観測所の両方の同時観測の解析から天球上の同一方向に観測された.惑星間磁場にボトルネック構造によるロスコーン損失を計算で求めてみると,観測された異方性は非常にうまく再現する事が出来た.これは世界で初めてこの様な異方性が直接観測された例として特筆に値するものと考えている. この現象に関する詳しい報告は8月にインドのプーナで開催される第29回宇宙線国際会議で報告を行った.
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