研究課題/領域番号 |
14540290
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
杉山 直 国立天文台, 理論研究部, 教授 (70222057)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 宇宙論 / 宇宙マイクロ波背景放射 / 構造形成 / 初期天体形成 |
研究概要 |
宇宙マイクロ波背景放射の温度揺らぎを用いて、深宇宙の様々な情報を得るための研究を行った。 (1)温度揺らぎの理論計算の精度を詳細の調べ、数値誤差が0.2%以下である計算コードを開発した。このコードの計算結果を温度揺らぎの観測と比較することで、宇宙論パラメターの精密な決定が可能となる。 (2)WMAP衛星による温度揺らぎの測定結果を用いて、40万年の時代の重力定数の値に制限を付けた。観測される温度揺らぎの空間パターンは、重力定数に依存する40万年当時の宇宙の膨張速度、大きさと密接な関係があることから制限が付くのである。その結果、最大限でも現在の値と5%以上異なっていてはいけないことを明らかにした。 (3)WMAP衛星の示唆する宇宙誕生後1億年の時代での再加熱過程を可能にするモデルを三つ提案した。一つ目は、揺らぎの統計的性質が非ガウス的であり、初期宇宙にすでに大きな密度揺らぎが存在していて、それが再加熱を引き起こすモデル、二つ目は、重い粒子が紫外線を出して崩壊することで、再加熱を引き起こすというモデル、そして最後が、通常考えている断熱的揺らぎ以外に、等曲率揺らぎが存在していて、それが初期構造形成、ひいては再加熱を誘発する、というモデルである。いずれのモデルでも、単純な冷たいダークマターの場合の構造形成シナリオでは不可能な1億年の時期での再加熱過程が可能となることを示した。 (4)宇宙マイクロ波背景放射には偏光成分が存在していることに着目し、その偏光ベクトルの磁場によるファラデー回転から、銀河団の磁場の詳細な構造を構築できることを提案した。
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