研究課題/領域番号 |
14540301
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石原 一 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (60273611)
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研究分担者 |
井須 俊郎 三菱電機(株), 先端技術総合研究所, 専任(研究職)
張 紀久夫 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60013489)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | ナノ構造 / 励起子 / ポラリトン / 非線系光学応答 / 超高速応答 / 薄膜 / GaAs / 非局所応答 / 非線系応答 / 内部電場 / ナノ空間構造 / 螺旋 / 非線形応答 / 光双安定 |
研究概要 |
本研究課題では以下のことを行った。 1.ナノスケール物質系において、単一量子状態が広域にコヒーレンスを保つ場合の光と物質の相互作用の特質を解き明かすため、広域コヒーレンス系における光-物質結合系のモード構造、及び、モード構造と非線形応答の関係を調べた。2.非線形応答のサイズ共鳴増大や、輻射緩和のサイズ共鳴高速化など、理論的に予想されてきた特異現象について、GaAs系多層薄膜を用いて実験と理論の比較を行った。3.長波長近似の枠内では予想できない新規現象を理論的に探った。 また、それぞれについて以下のような成果を得た。 1.薄膜に重心運動を閉じ込められた励起子と輻射場の結合モードの実部については、試料の膜厚増大とともに負にシフトした後、特定の膜厚で上枝ポラリトン分枝のエネルギーにジャンプするという特異な振る舞いが各準位の場合で現れる。内部電場成分の共鳴増大が、このジャンプが起こるより薄い膜厚で生じる条件で、巨大な非線形信号が得られることが分かった。2.光学的に高品質なGaAs多層周期構造に対して、時間分解反射測定を行い、理論で予言されていたように多層周期構造の周期数を増加することにより励起子に基づく信号成分が増大することを見出した。3.ナノメートルオーダーの超薄膜の場合でも長波長近似を越えた領域では、内部電場のナノスケール空間構造のため、インバーター的な入出力特性やこのような特性を伴った光双安定が生じることが理論的に明らかになった。
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