研究課題/領域番号 |
14540307
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
河合 伸 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (60204674)
|
研究分担者 |
成清 修 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (60252631)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 固体表面 / 走査トンネル電子顕微鏡 / モンテカルロシミュレーション / 振動励起 / 構造変換 / シリコン(001)表面 / ゲルマニウム(001)表面 / 相転移 / 走査トンネル顕微鏡 / 振動 / 揺らぎ / 遅い緩和 / Si(001) / Monte Carlo Simulation / STM / TCHC STM / Ge(001) / Dynamical Monte Carlo Simulation / Model Potential / Solid State Surface |
研究概要 |
第一原理計算結果に基づき開発したSi(001)表面ダイマー系モデルポテンシャル(MP)を用いて、時間分解モンテカルロシミレーションを70Kで行い、時間分解STMの結果をよく再現した。電子系-振動系結合を持ったハミルトニアンを使い、Si(001)表面でSTM電流により位相非保存過程による振動励起について調べた。電子系-振動系の結合定数は、MPを使って決定した。Si(001)基盤では、基盤温度20K以下では、100pA程度の電流で実効温度が250K程度になることを明らかにし、低温で対称ダイマー像が観測されることを説明した。基盤温度が60K程度に上昇すると実効温度と基盤温度はほぼ同じ値を取るようになり、高温領域での非対称ダイマー像を説明した。これらを踏まえて、励起誘起冷却という概念を提唱した。電子系-振動系の結合を持ったハミルトニアンを用いて、STM電流によってGe(001)表面ダイマー振動が励起されるRATEを求めた。80K程度の基盤温度では、振動励起は主にコヒーレント励起(CE)によることを明らかにした。Ge(001)表面で、TIPの下のダイマー振動のCEによる振動励起RATEが指数関数的な増加をみせる電圧領域が存在することを明らかにした。TIPから電子もしくはホールが注入される表面バンドが一次元のときには、励起RATEはTIPからの距離によって減衰しない項を持つことを明らかにした。Ge(001)表面π^*-bandは、一次元的であり、表面バイアス電圧が正のときに、遅い減衰が期待される。明らかにした、電圧・距離依存性は、STM装置を使ったGe(001)表面局所構造操作の実験結果を良く説明する。 表面ダイマー系を2次元イジングシステムに投影し、マルチフラクタル統計的計算を行い、この系を支配するコヒーレントなモードについて明らかにした。
|