研究課題/領域番号 |
14540340
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
河江 達也 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (30253503)
|
研究分担者 |
日高 雅子 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (00264094)
田中 彰則 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (80274512)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
|
キーワード | 強相関電子系 / 四極子モーメント / 四極子グラス / 近藤効果 / 四極子秩序 / 四極子近藤効果 |
研究概要 |
結晶場基底状態にГ3四極子モーメント(2重項)を持ちTQ=0.4Kで反強四極子秩序を起こすPrPb3を非磁性物質Laで置換したPrxLa(1-x)Pb3の低温物性をLa全濃度領域で系統的に調べた。本実験は四極子モーメント系において始めて行われた系統的な非磁性不純物希釈効果の実験である。まず、X線測定よりLa全濃度域で構造変化はなく立方晶であり、また帯磁率測定より不純物系の結晶場はレベル間隔は変化するがГ3基底状態に変化がないことがわかった。 比熱測定よりPr濃度xの変化にともない3つの異なる特徴的変化を観測し、それぞれ異なった相の存在を示唆する結果を得た。 (1)x≧0.98:四極子転移出現。 (2)0.1≦x≦0.9:低温比熱が温度Tに比例。 (3)0.05≦x : C/Tがほぼ-lnTに従う非フェルミ液体的温度依存。 (2)相についてはアモルファス物質等の比熱を説明するランダムな2レベルポテンシャルモデルで非常によく再現できることがわかった。これよりГ3四極子モーメントによるグラス相の出現を示唆する結果を得た。 (3)領域についてはx=0.01,0.03,0.05ともに比熱C/Tがほぼ同様の温度依存を示すことから非フェルミ液体的異常はPrの単イオン効果として理解できた。また電気抵抗測定においても0.05≦xではT〜3K以下で抵抗の顕著な減少を観測しГ3四極子モーメントと伝導電子の強い相関を示唆する結果を得た。一方、x≧0.2の濃度域では抵抗の顕著な減少は見られていない。以上より、0.05≦xで見られる異常は四極子近藤効果に起因するのではないかと考えている。
|