研究課題/領域番号 |
14540342
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
矢野 英雄 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70231652)
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研究分担者 |
畑 徹 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10156333)
小原 顕 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50347481)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 超流動ヘリウム3 / 不純物効果 / エアロジェル / 近接効果 / 核磁気共鳴 / 核断熱消磁冷凍機 / 超低温 / 超流動^3He |
研究概要 |
スピン3重項p波のクーパーペアを形成する超流動^3Heを用いて、エアロジェルによる不純物領域と不純物のないバルク領域との接合系を作り、接合界面でのp波超流動の近接効果を研究した。 使用したエアロジェルの空孔率は97.5%で、このとき不純物濃度は2.5%になる。エアロジェル表面に固体^3Heを吸着させた磁性不純物系と、固体^4Heを吸着した非磁性不純物系の2種類の系について、超流動^3Heの核磁気構造を測定した。超流動相転移温度は不純物2%以下の超流動に比べ低下した。また21bar以上の超流動^3Heは温度域によって2種類の相が存在し、パルスNMR法を併用することにより低温域ではBW相的なふるまい、高温域ではABM相的なふるまいであることを明らかにした。これらの結果は狭い空間によるサイズ効果の研究結果と明らかに異なり、エアロジェルが不純物として取り扱えることを示している。 非磁性不純物系の超流動相転移温度は、磁性不純物系のそれより高い結果を得た。これはp波クーパーペアが磁性不純物によってより壊れやすいことを示している。また、非磁性不純物系では磁性不純物系では観測されなかったABM相とBW相の混合状態があらわれた。この状態はバルク超流動との界面近傍まで同じ割合で実現しており、近接効果によるものではないことを示している。 一方、エアロジェル中では常流動状態かつバルクでは超流動状態の時、近接効果によるものと思われる特異な磁気構造があらわれた。これらの結果より、本研究によって初めて、不純物接合系におけるp波超流動の近接効果を確認した。
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