配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
中原と共同研究者は,多量子ビットゲートをモジュール化して量子アルゴリズムの効率的な実装法を開発した.最初これは数学的に理想的なホロノミック量子計算について解析したが,その後より現実的なジョセフソン接合を用いた量子ビット系について研究を行った.この方法で実際に21を素因数分解するにはどれだけの量子ビットと計算ステップが必要か具体的に求めた.ホロノミック量子計算に関しては,その後中原と大阪市大の谷村たちはGrassmann多様体上のStiefel多様体という理想化された状況で,与えられたホロノミーを最短ループで実現する厳密解を求めた.これによりMontgomeryが1991年に投げかけた等ホロノミー問題に完全な解答を与えた. 中原と近藤は近畿大学にNMR量子コンピュータを立ち上げた.本研究では谷村達の協力を得てLie群のCartan分解から得られる時間最適解を求め,それを2量子ビットの分子を使ってNMR量子コンピュータで実行した.計算実行時間とゲート数の減少によりNMRのスペクトルが改善されることを実験的に確かめた.また,与えられた量子アルゴリズムUの後に,簡単なゲートWを加えWUと変更することにより,実行時間が減少できる可能性を指摘し,それをNMR量子コンピュータを用いて実行した.この場合実行時間とゲート数はさらに減少し,スペクトルはさらに改善された.UをWUに「飛ばす」ことから,この方法はワープドライブ,Wはワープゲートとよばれる. 細谷はブラックホール時空におけるホーキング輻射を量子情報理論的に研究し,観測後の測定器をブラックホールに吸収させた場合のエントロピーの変化を研究したほか量子情報空間における計量の研究なども行った. 黒田は量子ディットとしての可能性をもつ単一分子磁石Mn12錯体の化学的な物性を研究した.
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