研究課題/領域番号 |
14540350
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
飛田 和男 埼玉大学, 理学部, 教授 (20133704)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ランダム磁性体 / 準周期磁性体 / 量子カゴメ磁性体 / 密度行列繰り込み群 / 量子相転移 / フェリ磁性 / 磁化プラトー / ボンド演算子 / ランダムネス誘起長距離秩序 / 磁場誘起長距離秩序 / ランダムネス誘起磁化プラトー / 数値対角化 / 1イオン異方性 / 隠れた秩序の顕在化 / フラストレーション / ボンド演算子平均場近似 / 実空間繰り込み群 / 高周期構造 / 四体相互作用 / ボンド交替 / カゴメ格子磁性体 / 高温展開 / レベルスペクトロスコピー |
研究概要 |
1.S=1カゴメ格子反強磁性ハイゼンベルグ系において、格子変形と異方性による量子相転移を調べ、変形のない等方的な系の基底状態が代表者の提唱したHSS状態と考えられることを示した。 2.S=1の1サイト異方性のある1次元XXZモデルの基底状態の定量的に正確な相図を得た。この相図は定性的に新奇な点はないが、今後のこの分野の研究においての標準として有用な結果となる。 3.2種のジグザグボンド交替鎖の混合鎖と強い反強磁性ボンドを強磁性ボンドでランダムに置換したジグザグボンド交替鎖の飽和磁化の半分(m=1/2)でのプラトーの振る舞いを密度行列繰り込み群(DMRG)を用いて調べた。 4.反強磁性交替ボンド鎖と一様鎖の混合系の磁化過程についてDMRGを用いて調べ、網代らの実験で得られた磁化過程が理解できることを示した。 5.フィボナッチ反強磁性XXZモデルについて、2種類の交換相互作用の違いが大きいときに、実空間繰り込み群を用いて再考し、基底状態の相図を明らかにし新しいユニバーサリティの存在を示した。 6.ボンド演算子平均場近似法を1次元ジグザグボンド交替鎖のm=1/2プラトー状態に適用し、利根川らによる相図を再現した。さらに、鎖間相互作用の効果も調べた。 7.3倍周期S=1/2ジグザグハイゼンベルグモデルのm=1/3プラトーの内、古典的プラトー状態と量子的プラトー状態が異なる相でありZ_2対称性の破れた中間相が存在することを示した。また、量子的プラトー状態が厳密に基底状態となる4体相互作用を持つモデルを構成した。 8.一イオン異方性Dが空間的に変化するS>1反強磁性ハイゼンベルグ鎖の基底状態を数値対角化により考察し、空間変化のパターンに応じて種々の反強磁性相やフェリ磁性相が現れることを示した。これはハルデン状態に存在する隠れた反強磁性秩序の1つの成分が、異方性の空間変化によって顕在化することを意味している。 9.磁場中の擬一次元量子磁性体において、ランダムネスはスピンを生き返らせて磁場に垂直な方向の磁気秩序を引き起こす一方、ランダムネス誘起プラトーを引き起こしこの秩序を壊す。この二つの競合の結果、この系は磁場の増大と共に多重リエントラント転移を起こすことを示した。
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