研究課題/領域番号 |
14540357
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川村 光 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30153018)
|
研究分担者 |
吉野 元 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50335337)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | カイラリティ / フラストレーション / スピングラス / パイロクロア / モンテカルロシミュレーション / 相転移 / 遥動散逸定理 / ハイゼンベルグモデル |
研究概要 |
一般に、カイラリティ(キラリティ)とは、秩序状態の構造が局所的に右手系か左手系かを表す自由度として定義され、従来特に化学の分野では分子の立体異性体(光学異性体)の問題と関連して大きな関心を集めてきたが、近年、固体・統計物理の分野においてもカイラリティ自由度がしばしば重要な役割を果たすことが次第に明らかになってきた。本研究はフラストレート磁性体の秩序化を直接の対象として、主として数値シミュレーションによりカイラリティの秩序化現象の理論的解明を進めることを目指し行われた。具体的には、スピングラス問題を中心に、パイロクロア磁性体をも含めた研究を展開した。特に、(I)ハイゼンベルグ型スピングラスの非平衡ダイナミックスと揺動散逸比の解析、(II)磁場中ハイゼンベルグ型スピングラスの相転移とレプリカ対称性の破れの解析、(III)カイラル秩序の検出プローブとしての異常ホール効果の解析とカノニカルスピングラスに対する実験への提案、といった問題では大きな進展が得られた。得られた諸結果はスピングラスのカイラリティ仮説の予想と調和的であり、また近年の実験によっても検証されつつある。特に異常ホール効果によるカイラル秩序の直接観測は今後新しい分野を切り開く可能性を秘めているものと期待される。また、(IV)パイロクロア格子上の反強磁性ハイゼンベルグモデルの相転移の解析においても、いくつかの興味深い磁気秩序化現象が見いだされた
|