研究課題/領域番号 |
14540359
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井戸垣 俊弘 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40038013)
|
研究分担者 |
竹田 和義 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10029548)
村岡 良紀 有明工業高等専門学校, 助教授 (60229953)
田中 彰則 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (80274512)
河江 逹也 (河江 達也) 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (30253503)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 競合スピン系 / 双極子 / 4重極子 / 部分無秩序相 / 交代秩序相 |
研究概要 |
本研究では、双1次-双2次交換相互作用を持つスピン系(BBモデル)や積層軸方向に競合した相互作用を持つ軸性次隣接イジング(ANNNI)モデルを対象に、相互作用のフラストレーションに起因した変調周期構造や、スピンの向きの秩序である双極子秩序(DLRO)とスピンの軸方向の秩序である4重極子秩序(DLRO)について、モンテカルロ(MC)計算や近似理論による解析を行い、DLRO(QLRO)の部分無秩序相(交代秩序相)の出現機構や安定性をしらべた。主な成果は以下の通りである。 1)±JイジングBBモデルに対し、非平衡緩和法を用いたMC計算を実行した。その結果、ランダムネスを導入することによって、DLROにみられるリエントラント現象は徐々に消失し、臨界指数も変化することを明らかにした。一方、QLROの交代秩序相への転移に関しては、転移温度・臨界指数共にランダムネスの影響を受けないことがわかった。 2)ANNNIモデルにおける部分無秩序相の出現機構として、積層軸に沿って面内相互作用の大きさが交互に異なる「相互作用交代型機構」、とスピン量子数が交互に異なる「混合スピン型機構」の2つを提唱した。そして実際に両モデルを通常のMC計算と分子場計算で取り扱うことにより、部分無秩序相の安定化を確認すると共に、部分無秩序相の出現にはエントロピーの寄与が重要であることを指摘した。 3)典型的なフラストレートシステムである積層型三角格子反強磁性体における双2次交換相互作用の効果を、古典的XYスピンモデルを用いて議論し、種々の相互作用領域における詳細な磁気相図をヒストグラム法に基づくMC計算で計算し、インコメンシュレートな秩序やカイラリティー秩序を始めとする各相の臨界的性質を明らかにした。
|